心の散歩道

講演録「創業に対する心構えと成功のポイント」第二部

[大阪の商売人のど根性]
 私の30歳から40歳までの師匠は大阪の材木屋さんでした。材木屋さんですから、「材界の大物」と言っていたのです。(笑)その親父さんが「大阪の商売人の、ど根性とは何や知っとるか」と聞かれるのです。それは、「いかなる苦難にも堪える精神力を持って」ということでした。「いかなる苦難も・・・」これから創業するにあたっては大切な言葉です。成功は成功するまで、やり続ければ成功します。いいかげんな気持ちで創業したのでは、絶対に成功しません。 

[トイレ掃除]
 私は会社の中で、「得意技はトイレ掃除だ」と言っています。トイレ掃除を10年やっています。トイレ掃除をやるきっかけは㈱イエローハットの鍵山秀三郎さんに会ったことです。鍵山さんはトイレ掃除をやって会社が良くなったと言われました。その時に、私の頭の中に、こういう言葉がありました。「男がいったん物事を始めたら、石に、しがみついてもやり続ける決意」。要は、会社の中でトイレ掃除を始める。それを社員は見ています。だいたい「社長は一週間でやめる」という想定のもとに社員は見ているのです。いいことをやり始めて、それを一週間でやめたら、社員の予想通りになって、また社員に信用が無くなる。
 これからの創業も同じことです。石に、しがみついてでもやり続ける決意が持てた時にやればよい。熟成をしてからです。私の場合、トイレ掃除を行なうのに6か月近くの熟成期間があって、そして自分の中で、「会社にいる間はやり続けるぞ」という決意があって始めたから、10年も続いたのです。

[日本一になれ]
 イビデンを退社してから、実家に帰って八百屋(スーパー形式)をやることになりました。兄が病気でどうしても出来ない、それで私が八百屋を継ぐことになり、その時に材木屋の親父さんに「日本一の八百屋になれよ」と言われました。日本一の八百屋になれと言われても、この時にはダイエーもあるし、イトーヨーカドーもあるし、なれるわけがないと思いましたが、これは私の与えられた最大の課題だったんです。
 どうしたら日本一になれるのか、私の感じたものは、規模ではなく「プロになるんだ。八百屋の中のプロ中のプロになる」ということでした。では、どうしたらよいのか。お客様から、例えばジャガイモのことを聞かれたら、「ジャガイモはここの産地のものが、この時期に食べたら一番おいしいですよ。そして、これはストレス性潰瘍に効きます」とか、「ジャガイモを食べる国には痛風が無い」とか、そういう諺(ことわざ)とか効用を勉強して、お客様にすぐ応えられるようにしたのです。しばらくして八百屋の店頭に、ジャガイモの効能、にんじんの効能等を用紙にを書いてズラッと貼りました。これは一時スーパーでブームになりました。日本で初めてやったのが私です。今はもう貼らなくなりました。
 材木屋の親父さんに「日本一になれよ」と言われたから出来たのです。残念ながら八百屋では日本一になれませんでした。しかし、「ゴキブリのいない町づくりで日本一になりました」と電話で報告したら、本当に喜ばれました。
 日本一になれと言われたことに対して、どうしたら日本一になれるのか。当社のことを具体的にお伝えします。一番簡単なのは、「工場の床が日本一のピカピカ工場」と宣言したことです。では、日本一の床のピカピカ工場になるにはどうしたらいいか。1日に4回磨く。朝来たら磨く、昼に磨く、午後3時に磨く。そして汚れてないにもかかわらず帰りにも磨く。いつも床はピカピカになる。日本一という誇りが会社の中の雰囲気をよくする。何かこれだけは負けないということで、胸が張れる。

[セールスは負けて勝つ]
 「セールスは負けて勝つ」、これも名言であります。負けて勝つというのは、値段を負ける(安くする)のではありません。お客様と口喧嘩して負けて、そして物を売って帰ってくる。だから泣いて帰ってきたら、部下を褒めてあげる。お客様に怒られて、「よかった、よかった」と。将来の勝ちにつながります。それが負けて勝つということです。

[経済と心]
 いずれにしても商売というのは大変なことでありまして、この中の顔ぶれを「商人として生きていける顔かなー」と思い、ちょっと心配になってきます。(笑)
 計算と心の問題、この2つは相反するものなのです。これをかかえて企業をやっていくわけです。だから計算高い人は、心を鍛える。心の問題に強い人は、お金儲けの部分を鍛える。自分自身を知ることが大切です。
 私の場合は、もって生まれた商人で、人を見たら、この人は50万円とか100万円とか思ってしまうのです。小さい時から頭の中に数字が出てきました。人に対していやらしい頭を持っていました。それを40歳過ぎに気がついて、俺はこんな嫌な性格なのかと思いました。それで数字に対するというか、経済に対する行為は100点と自負していたので、「心の0」を上げようと思い心の勉強をしました。言ってみれば、心の修業です。
 今、会社の雰囲気がよくなって来ました。お金儲けばかり考えていると社員が疲れます。何れにしても、自分を経済か心の問題のどちらかで鍛えるのです。

[真打ちはプロ中のプロ]
 セールスの話の最後に、プロになるにはをお伝えします。将棋の世界では、師匠は弟子には教えません。弟子が、将棋をどれくらい好きになるかでプロになれるかどうか決まるのです。
 職場では、自分がその仕事を大好きになるということがプロへの道です。
 寄席では、最後に出演する芸の最もすぐれた人を真打ちと言います。真打ちは客の心をつかむ名人で、プロ中のプロといえるでしょう。
 お互いに真打ちを目差し、精いっぱい励みましょう。
 真打ちが、物を売る人であれば、生産者の真心を感じ、その商品に心を入れます。作られた物に対して自分がそれと一緒になる、そういうところにポイントがあるような気がします。
 プロの極意、それは「愛」。皆さんにも分かるでしょう。若い頃、彼女が出来た時にあった、あの愛です。あれが極意です。下心の愛ではだめですが、とにかく愛をもってすれば、ほとんどの人が出来る。惚れたら何でも出来る。お客様に惚れるということです。
 セールスの話はこれくらいにします。質問があれば、セールスの話で無くても結構ですからお受けします。 
(質問が出ない)

[陽気に生きる]
 心の持ち方は明るく、楽しく、陽気が大切です。暗い人は成功しません。絶対に成功しません。暗い人はどのくらい迷惑かというと、私の会社へ暗い人が来るだけで、会社が暗くなります。あれはよくない。だから、心の持ち方は、明るく、楽しく、陽気にすることです。暗く生きる人は、陰気です。
 陽気で明るくやっている仕事は、8時間勤務も4時間に感じる。暗い気持ちでやっていたら8時間勤務が16時間になる。明るく楽しくやっていると、他社からみえた人が、「明るく楽しそうなあの若い社員、あれをうちの会社に欲しいな、うちの婿さんにしよう、お嫁さんにしよう」ということが起こってくるのです。暗い社員には何も起こらないのです。明るく楽しくやっていると、その人の魂は光ってきます。その魂を磨く作業が喜んで働くということです。暗い気持ちで行なえばこの魂に、錆(さび)がついてきます。
 明るい社員の周りには人がいっぱい集まってきます。暗い社員には、誰も寄ってきません。
 「陽気の人は大きな人生」、「陰気の人は小さな人生」です。人間社会には、中傷があり、攻められます。その時に、大きい人生の人は、周りの人が石垣や堀になったりして、防波堤になってくれます。「あの人はそんな人じゃない、とっても良い人ですよ」と。小さな人生の暗い人は直撃です。だから明るく生きましょう。[いい人生か、いい生活か]
 これから生きていくのに、いい人生が欲しいのか、いい生活が欲しいのか。いい生活とは、外車に乗って、ブランドの物を着けて歩く。これは自分だけが楽しむ生活です。いい人生とは、周りの人を喜ばせて生きる生き方です。もっと分かりやすく言うと、ケーキを家で分けます。一番大きいのは、「これは俺のものだ」といって、60歳の人が大きいのを取るようでは、60歳でも子どもです。ところが10歳の子どもでも、「大きいのは弟でいいよ」とか、「お父さん、お母さんにあげる」と言ったら、もう立派な大人なんです。
 自我の強い人は、周りにあまり良い影響を与えない。自分のことより人を喜ばせていく生き方がよいのです。

[真の幸せ]
 幸せも同じことですが、外車に乗る幸せもある、ブランド物を持っている幸せもある。真の幸せというのは、幸せな人を中心に多くの幸せな人が取り囲んでいる。これは大きな幸せです。自分だけ外車やブランド物では小さな幸せなのです。真の幸せになりたいと思ったら、自分がまず、周りの人に先に幸せを与える、ということです。そのためこれから、自分の好きな物をいかに他人に譲れるかどうかです。全部譲れといっているわけではありません。そういうことを知って少しでも、相手に譲ることを心掛けてください。
 今までは「心は0」だった、自我が強かった、しかし少し譲ってみると、周りの人や友達が変わってきます。まず、良い人ができます。
 感謝/欲望=幸せ。これが幸せの公式です。例えば、ものすごく欲が深い。100%の欲がある。感謝は50%。そうすると幸せ50%です。感謝が出来る、言ってみれば「俺みたいに出来の悪い社長に、よくこの人達はついて来てくれる。実にありがたい。感謝いっぱいだ」と思うと、感謝は100%。それで幸せが100%になります。もっと良いのは、大変豊かな生活だから、少し欲望を落とす。欲望を50%にする。幸せが200%です。
 だからいかに感謝を大きくするか、感謝は親に感謝したり、あるいは、周りの人に感謝したり、「この人のおかげ」という気持ちを持つことです。感謝のない人は、これからの成長は期待できません。感謝せず、自我の強い人は成功しないのです。
 当社では感謝に関しては、「ありがとうカード」をやってみたり親孝行月間をやってみたりして、「ありがとう」を多く使うことをやっています。それで、感謝する人達が増えてまいりました。皆さんも、ありがとうという言葉は、言いにくいでしょうが、私も妻に、ありがとうと言いにくかったのですが、今は言います。当社でも、なかなか言えない人が、自分で「ありがとうカード」を書いているうちに、だんだん言葉が出るようになってきました。感謝が出来るようになったら謙虚になってきます。謙虚になると、周りに人が集まってきます。大きな人生になります。感謝出来ない人は傲慢な人です。そういう人は、周りの人によい影響を与えません。ちょっと話が逸れましたが、それではなにかご質問ありますでしょうか?
 (質問が出ない) 別の角度で話をさせていただきます。皆さんに、当社の小冊子・社内報が配布してありますので、読んでください。会社経営するためのヒントがこの小冊子・社内報の中にあります。
 松下政経塾で前塾頭を努められていた、上甲 晃さんが、私についてこんなことを書いてくれました。皆さんにちょっと参考になるかもしれません。読みます。

[土下座]
 「社長を辞任されて会長に就任されましたが、社長と会長との違いは何処にありますか?」岐阜羽島駅まで迎えに来ていただいた、株式会社タニサケの会長である松岡浩さんに車中で質問してみた。「土下座して謝るような覚悟から、解き放たれたことでしょうか」と松岡さんはおもしろい言い方で、違いを教えてくれた。何となく分かる表現だ。社長という立場は、それほどに厳しく、しかも、すべての責任を負っていることを意味しているのだ。社長の辞書には「弁解」の文字は無いのである。 説明をします。今後、皆さんが事業家になって、社長になると、部下のミスに真っ先に相手先へ行って、土下座をする勇気がいります。土下座して謝らなくてはいけないことが、これから出てきます。例えば、自社のセールスマンが、交通事故を起こし相手をケガをさせたら真っ先に行って謝らなくてはいけない。上に立つ者の役目なんです。覚悟を持たなければいけない。続いて読みます。

[人間の可能性を信じる]
 松岡さんの経営指導は徹底して人の働きを生かすところに、真価がありそうだ、「私は男尊女卑の経営をしています」などと、面白いことをいう。例えば社内の名物になっている掃除も、女性にはあまりさせない。さらに、残業も認めない。女性は定時に出社して、定時に帰社してもらう。そういうことを差して「男尊女卑」と言う。「女性が働くことに異論はないけれども、やはり家庭においても大切な役割がある。仕事が優先されて、家庭がおろそかになってしまったのでは、国家的な損失」と言うわけだ。
 しかし、女性にも経営参画は、必ずしてもらう。代表例が「社内提案制度」だ。そのほかに、「ありがとうカード」といった珍しい制度もある。会社の雰囲気を常にプラスの方向に向けるために、会社で誰かに対して感謝する事柄をカードに記入して提出すると、必ずお小遣いがもらえる。
 社員には、「知恵手当て」と称する特別のボーナスがあるというのも面白い。業績配分などというと聞こえはよいが、要するに、経営者と社員が山分けといった感が否めない。そうではなくて、社員が自らの知恵で搾り出した効果に応じて、ボーナスを出す。
 どこまでも、知恵を出し、頭を使うことを求める会社の面目躍如である。かつて、100人以上の人たちが寄ってたかって作っていた製品を、今は20人ほどで作っている。最新鋭の機械を導入したわけではない。社員一人ひとりの知恵が、ここまでの成果をもたらした。まさしく人間の可能性を信じる経営の成果だ。 説明をします。私の経営の主張で、女性は家庭で子どもや、親と主人を守るという、大切な仕事があります。それをおろそかにしないということが大前提で、経営をはじめました。時代に逆らっておりますけれど、女性の場合は、まず家庭ではないか。
 そのことで社員は辞めるかというと、絶対に辞めない。例えば女性のパート社員(さわやか社員)の場合ですと、10年ぐらい前より入社したいと待っていて、空き待ちです。定年退社はありますが、中途退社はありません。そのくらい良い雰囲気の会社になっております。

[人生の武器]
 人生の武器ということでお話します。私の人生の武器は、トイレ掃除とハガキ書きです。ある人に、武器はなんですかと聞くと、俺は口だけと言います。ある人は、人生の武器はカラオケと言います。それを聞いたとき、私はすかさず、「カラオケは 歌う極楽 聞く地獄」と川柳で返します。(笑)
 私の信条は、「長たる者は部下の誰よりも損をすべし」です。具体的にいうと、一番早く会社に来て、そして一番汚いトイレ掃除をやる。もう少し分かりやすくいうと、朝6時20分に出社をします。実は当社では、早い人は6時5分に会社へ来ます、その次が6時15分、私が3番目なんです。私は、6時に出社する体力はあります。でも、私が6時に出社すると一番早い人は、5時55分に来ます。だから気を遣って3番なのです。(笑)
 そういえば、明日は不破郡の校長さんを初め小中学校の指導主任の先生方が、当社へ朝6時に来て、トイレ研修を受けられます。これは、大したことですよ。先生方が、トイレ掃除の研修を受けるのですから。少し余計なことを言いました。
 掃除には、やる掃除と、やらされる掃除があるんです。やる掃除と言うのはどういうことかというと、自分で〝やる気〟になって行なう掃除です。気持ちよくやれます。やらされる掃除というのは、与えられた部分しかやらない。これは疲れます。仕事も一緒、やらされる仕事と、やる仕事は随分違う。やる仕事にすれば生産性が上がります。 

[社員を喜ばせる]
 経営の極意は何かというと、社員を喜ばせる。これにつきます。将来必ず思い出してください。社員を喜ばせる。喜ばせたらその社員が、この社長から受けた感動を持ってお客様に対応する。だから、社員を徹底的に喜ばせることを心掛ければ、その社員が、お客様を喜ばせる。これが極意です。私は長い間やってきました。お陰で社員がいい顔をしてます。
 当社の勤務時間は8時から17時まで。私が、掃除をして7時30分頃に社員が出てくる前には綺麗になって終わっています。もし、私が社員に8時までに来て掃除をやれといったら、社員は掃除をします。でも、掃除のための社長の命令を聞いたから8時からの仕事は軽く流すという意識になる。今、大変な掃除ブームで、何処の会社でもやられていますが、ほとんどが無理にやらせている。やらせる掃除に光はありません。 
 「掃除の広さと人物の大きさは比例する」という言葉があります。例えば、自分の家の前の道路だけ掃除している人、これは普通の人。他人の家の前まで掃除する人、これは人物の大きい人です。自分の家の前だけの人と、遠くまで掃く人との人物の大きさは、違うと言っているのです。そういう言葉を知ってから、私は道路を掃除するとき遠くまで掃除をしています。時々、散歩をしているおじいちゃんに、「タニサケさんの人はすごいね、毎日掃除しとる」と褒めてもらえます。褒めてもらえた、この日だけはずうっと遠くまで掃きます。(笑)
 これがポイントです。褒めるということは、その人にエネルギーを与えるということです。喜ばせるとか、褒めることはそのようになるのです。

[自立を]
 今日は、たくさんヒントを差し上げました。まず、自分が自立することです。自立できないなら、どんな理想論を掲げてもだめです。いい会社を創ろうと思えば、今まで8時間働いていたら、16時間働かないといけない。でも、その16時間をイヤイヤ働いていたら絶対ダメです。16時間喜んで働くということです。好きになって喜んで働く、心は明るく楽しく。経営者が暗い気持ちで、社員を幸せにするということは出来ないのです。
 上に立つ者は無理やりでも自分が幸せだと思わないと、周りの人達に幸せを与えられません。明るく楽しい会社をつくろうというのに、社長だけが暗い、これでは絶対出来ません。はっきりしています。だから皆さんにお伝えしたいことは、明るくなって欲しいということ。そして少しでも相手を喜ばせることを、まず手近なお父さん、お母さん、あるいは奥さん(ご主人)を喜ばせてあげてください。

[本]
 あまり本は読まない方がよい。「行なって余りあらば以って文を学ぶ」(論語)で学問が人生の第一義ではない。
 私の場合は若い時、本は読まなかったのですが、40歳過ぎてから読むようになりました。それまでに情報が何も入ってなかったので、吸い取り紙が水を吸うかのようによく分かりました。頭に何も入ってなかったから入ったのです。入っていると邪魔するのです。入ってない方がよいですね。
 どんな本を読むかというと、良い人に会って、「どの本が良いですか」と聞いてからでないと難しいです。今、たくさん情報がありますから。
 私の場合、中村天風著の『成功への実現』という本を9800円で買って、読んだときに大変な感動をしました。あれは、40歳を過ぎて読んだからよかった、あの本を若い頃に読んでも体験がないから分からない。童門冬二著の「小説、上杉鷹山」「近江商人魂(蒲生氏郷と西野仁右衛門)」が私の経営の基本にもなっています。特に「近江商人魂」を読んで、商人というのは卑(いや)しいものではない、仏の心を売るものだと感じたのであります。皆さん、あまり難しい本を読まないようにと、思います。

[無上意]
 それでは、最後に「無上意」という言葉をお伝えして終わりにします。無上意というのは、これ以上ないということです。例えば、かかってきた電話に、自分の中での最高の電話応対をする、あるいは、お客様をニコニコ笑って最高の笑顔でお迎えをする、あるいは、最高の挨拶をするという。これが、無上意です。これ以上無いと言う行動です。これをやり続けることによって花が開いていく。これが無上意だというお手本を読みます。           

[サービス]
 苦楽を共にした奥様を定年前に亡くした男性が、冥福を祈るため、四国八十八か所の巡礼めぐりをし、最後に立ち寄った高知空港の日本料理店の「司」に入り、ビール1本と土佐名物のかますの姿寿司1人前を注文しました。加えて「申し訳ありませんがグラスは2つで」と。
 注文を受けた若いウエイトレスは、どうしてグラスが2つ必要なのだろうかと不思議に思いながら指示に従い、まずビールと、グラス2つを出しました。すると、お客様は女性の写真をテーブルの中央に置き、その前のグラスにビールを注ぎ、手にしていたグラスにもビールを入れ乾杯をした。
 ウェイトレスは、お客様は亡くなった奥さんの写真を持って、巡礼めぐりをしてきたのだろうと思い、そこで、寿司が出来上がって運ぶ時に、箸と箸置きを2組、小皿を2枚持っていきました。 と書いてありまして。続いて、 故郷へ帰ったお客様の元校長先生の、お店宛の手紙には次のように書かれてありました。
「四国への旅には家内の写真と一緒に出かけ、食事時には一緒にビールを飲みました。しかし、お箸と小皿を2人分出していただいたのはお宅の店が初めてでした。驚きました。感動で体が震えました。帰りの飛行機の中では、涙が止まりませんでした。本当にありがとうございました」 これが、無上意です。だから、お客様に思いを持てばもの凄いことが出来ます。目の前の人に無上意の世界をやり続ける。それが、皆様の創業までの充電期間に心がけることです。お互いに無上意を心がけましょう。

無上意

( 株式会社タニサケ 松岡様の講演からの引用 )

 無上意というのは、これ以上ないということです。
例えば、かかってきた電話に、自分の中での最高の電話応対をする、あるいは、お客様をニコニコ笑って最高の笑顔でお迎えをする、あるいは、最高の挨拶をするという。これが、無上意です。
 これ以上無いと言う行動です。これをやり続けることによって、花が開いていく。
これが無上意だというお手本を読みます。 苦楽を共にした奥様を定年前に亡くした男性が、冥福を祈るため、四国八十八か所の巡礼めぐりをし、最後に立ち寄った高知空港の日本料理店の「司」に入り、ビール1本と土佐名物のかますの姿寿司1人前を注文しました。加えて「申し訳ありませんがグラスは2つで」と。
注文を受けた若いウエイトレスは、どうしてグラスが2つ必要なのだろうかと不思議に思いながら指示に従い、まずビールと、グラス2つを出しました。
すると、お客様は女性の写真をテーブルの中央に置き、その前のグラスにビールを注ぎ、手にしていたグラスにもビールを入れ乾杯をした。
ウェイトレスは、お客様は亡くなった奥さんの写真を持って、巡礼めぐりをしてきたのだろうと思い、そこで、寿司が出来上がって運ぶ時に、箸と箸置きを2組、小皿を2枚持っていきました。
と書いてありました。
その後、故郷へ帰ったお客様の元校長先生の、お店宛の手紙には次のように書かれてありました。

「四国への旅には家内の写真と一緒に出かけ、食事時には一緒にビールを飲みました。しかし、お箸と小皿を2人分出していただいたのはお宅の店が初めてでした。驚きました。感動で体が震えました。帰りの飛行機の中では、涙が止まりませんでした。本当にありがとうございました」

 これが、無上意です。だから、お客様に思いを持てばもの凄いことが出来ます。目の前の人に無上意の世界をやり続ける。それが、皆様の創業までの充電期間に心がけることです。お互いに無上意を心がけましょう。     

<<< 心の散歩道TOP に戻る

Copyright(C)  三喜製作所 All Rights Reserved.